
仮想通貨で人気のあるNEMを、ビットコインやイーサリアムなど他の通貨と比較してみました。
現在のNEM/XEM価格(対日本円・対BTC)
NEMが他の仮想通貨と異なる特徴
NEMは、ビットコインやイーサリアムと同じ仮想通貨の一つです。
通貨名:NEM(ネム)
通貨単位:XEM(ゼム)
発行数:8,999,999,999XEM(約90億)
NEMが他の仮想通貨と大きく違うところは、取引記録をチェーン上に記録する作業を「誰が行うのか」を決めるアルゴリズムにあります。
多くの仮想通貨はビットコインのブロックチェーンを採用していますので、ビットコインと同じように、POW(Proof of Work)というアルゴリズムを採用しています。
これは、たくさん電力を使ってハッシュ値を見つけた人(イメージ:一番早く暗号を解いた人)がトランザクションを処理できるようになっており、このマイニングと呼ばれる作業に成功した人に報酬としてビットコインが支払われます。
このハッシュ値を見つける作業は、マイニングをする人が多いほど難しくなっていくので、2017年では1トランザクションを処理するだけで「おおよそアメリカの一般家庭1週間分」の電力が消費されています。
対照的にNEM(ネム)はブロックチェーンを独自で開発しています。
承認者を決める方法はPOI(Proof of Importance)というアルゴリズムを採用しており、たくさんXEMを使って経済活動を促す重要性(Importance)の高い人が承認作業に成功できるアルゴリズムになっています。
通常、承認作業には報酬が支払われるので、ブロックが生成されるたびに、新しい通貨が新規発行されます。
例えば「イーサリアム」で例えるなら、15秒で一つのブロックが生成され「5ETH」が発行されます。
つまり、15秒毎に40万円分のETHが新規発行されていますから(1ETH=80000円計算)1日で約345億円分の売り圧力があるということです。
しかし、NEMは取引手数料の中から承認報酬が支払われるので、新規発行はせず希薄化しません。
NEMは提供している「API」が利用された時の手数料(ネームスペースや送金手数料など)が報酬として支払われるので、新規発行をしなくてもブロックチェーンの「記録・承認」作業を維持できるように設計されています。
【NEM】通貨としての将来性
通貨として成長するにはスケーラビリティ問題は避けて通れません。
今回はビットコインと比較してみました。
ビットコインは秒間7件の取引を処理することができます。
これは、1日で最大60万4800回の取引まで記録できるということです。これは、クレジットカード「VISA」が平均5000取引まで処理できるので、クレジットカードと比べると「714分の1」しか取引できないということです。
ビットコインの取引量は、秒間7件を超えており、現在では送金遅延も起こっています。
取引手数料をケチったせいで、何カ月もBTCが届かないというツイートも多々拝見します。
これく比べNEMは秒間4桁の取引を承認することができます。
※プライベートチェーン「mijin」の実証実験では最大4142件(平均3000件)
また、ビットコインの承認時間が約10分であるのに対し、NEMは約1分であるためビットコインの10倍速く着金します。
どちらが使いやすいか、そして金融機関に向いているかは一目瞭然だと思います。
さらにmijinに搭載されたカタパルトとNEMに搭載されるカタパルトが連携することによる拡張機能により、さらに金融機関に特化した仕様となります。
【NEM】プラットフォームとしての将来性
NEMは、通貨だけではなくプラットフォームとしても優秀です。
プラットフォームで一番時価総額の大きいイーサリアムと比較してみました。
NEMは、イーサリアムと同じくトークン(仮想通貨)を作ることができます。
これをお店の出店で例えるなら、出店場所の選定から、デザイン、内装工事、求人、マニュアル作成まで、お店を立てる為の手順を全て自分で行わなくてはなりません。
対照的にNEMは、APIを提供しているのでFC(フランチャイズ)契約をするだけで、全てお任せで出店できるようなイメージです。
イーサリアムはブロックチェーン技術を理解しているエンジニアしかトークンを作ることができません。
バグがあれば、DAO事件のようにICOで集めたETHが盗まれてしまったり、パリティー・テクノロジーズが開発した「マルチシグ・ウォレット」のように、ハッキング問題で凍結されたりと、大きな問題に発展します。
しかし、NEMは素人でも簡単にトークンを作成できます。ブロックチェーン技術どころか、コードすら書けない人でも簡単にトークンを作成できるのです。
さらに、NEMで作成したトークンのコアは、NEMのAPIに依存するため不具合が起きにくい仕様となっています。それは国家セキュリティ情報機関が公表したセキュリティ監査レポート見れば一目瞭然です。
自由度はイーサリアムに比べると少々劣るかも知れませんが、スピード感や安全性は圧倒的に凌駕しています。
今後のNEMは、ブロックチェーン技術をより身近な技術として、企業や個人へ普及させるための立役者になることでしょう。
NEMが購入できる取引所
NEMはCatapultでさらに進化する
ついに、mijinへ搭載されたカタパルトの詳細が明らかになりました。
実は、mijinもAPI実行時に手数料としてXEMを消費します。NEM・mijin共にユーザーがXEMを所持していないと何もできない仕様であり、プライベートブロックチェーンであるmijinでもXEM手数料は発生するのです。
現在はNEM上のnem:xemとmijin上のnem:xemとは別物です。いずれはCOMSA HUBを通じてペッグされればNEM上のxemをmijinネットワーク内に流通させることが可能になると思われます。
そのような未来になれば、mijinが数々の企業に使われるようになるほど、XEMの需要は増えていくことでしょう。※あくまでも憶測です、公式には発表されていません。
ICOソリューション「COMSA」でも全てのトークンに対し「対XEM」が実装される予定なので、ますます未来は明るくなっていきます。
ちなみに、このカタパルトは2018年NEMにも搭載される予定となっています。
NEMの様々なAPI
■アポスティーユ
アポスティーユとは証明書発行ツールです。ブロックチェーン上に書き込む事で改ざんできない契約書・証明書を発行することができます。仕様用途は多種多様で下記のような活用が可能です。
- 土地やアート、写真、宝石、特許、音楽、自動車といったようなあらゆる所有権の登記。
- 議事録や契約書、メール、ツイート、音声記録、ログ、タイムカードなどのタイムスタンプ記録。
- 売り上げデータや会計データなど、後に監査が必要となる情報の記録。
■ネームスペース・モザイク
あなた独自のトークンを発行できる機能です。例えば、トークンを発行してICOすることもできますし、Tポイントようなお店のポイントを作ることもできます。
ICOソリューション「COMSA」で発行されているコムサトークン「CMS」もネームスペースとモザイクで作成されています。
■マルチシグ
マルチシグアドレスからお金を引き出す時は他の参加者に許可を求めるリクエストが自動的に送られます。
身近では、仮想通貨取引所「Zaif」にもマルチシグが使用されています。顧客の預かり金をマルチシグアドレスで管理し、顧客へ送金する際には「担当者」「管理者」「責任者」など、複数の許可が無いと出金ができない仕様にする(詳細は誰が署名してるのかはわかりません)など社内のセキュリティとして活躍しています。
取引所だけでなく、企業の運営資金を銀行口座の代わりにマルチシグで管理する事も可能です。
マルチシグで資産を管理する方法は下記をご覧ください。
■Voting
ブロックチェーンを活用して投票を行うことができます。
ブロックチェーン技術による「改ざんできない投票ツール」であるため選挙や株式の議決でも活用されることが期待されています。
NEMを購入する
NEMを取り扱っている取引所は現在はzaifのみです。
取引所があるのでスプレッドを気にせず取引ができます。
Zaif(取引所)
- Bitcoin(ビットコイン)
- NEM(ネム)
- Ethereum(イーサリアム)
- Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)
- MONA(モナコイン)
- COMSA(コムサ)
coincheck(販売所)
- Bitcoin (ビットコイン)
- Ethereum (イーサリアム)
- Bitcoin Cash (ビットコインキャッシュ)
- Litecoin(ライトコイン)
- Ether Classic(イーサリアムクラシック)
- MONAcoin(モナコイン)
- Lisk(リスク)